2004年2月7日

3日目

文:ひで



 ローカル馬場の移り変わり


 今日は馬場の移り変わりが非常に見えやすい馬場であった事と、ラク短の法則になりきれないパターンを覚えておいて頂きたい事から取り上げました。(^-^)
 小倉開催はこの週で終わってしまいますが、ローカル開催は小倉に関わらず馬場の移り変わりが非常に早いことから今後の参考になるので是非感覚を掴んでいただきたいと思いました。そこで、今回はいつもとは違った感じでの手法で開催当日に提供することを決断しました。(^^ゞ
 これは昼の段階で判断するにはとても難しい分野なんですが、移り変わりに考えられるパターンから考えて、実際にご自分の目で注目しながら見ていただく斬新な手段で、こうする事によってより実感することができたんじゃないかと思います。(^-^)


    

 言いたいことの多くを当日に書いてしまったので、一部反復する所もあります。午前中の馬場を見る限りでは馬場の真中を通す馬が断然に有利な馬場状態でした。この馬場を一言で言うならば「差し馬場」です。しかし、実際のところは差しに向いているのではなく、逃げや先行勢に遥かに有利な馬場です。呼び名としては「差し馬場」になってしまいますが、その時の状況把握が大切だと言うことを思い知らされるような馬場です。と、言うのは騎手たちの中で馬場の真中を通すブームがやってきていたので、午前中の段階でいうならばそれは一部の騎手のみでしたが、午前に内を通していた騎手でも、これだけ馬場の真中を通した先行馬が連に絡んでいれば午後は自然と学習して馬場の真中を回して来ることが想像されます。つまり、この手の馬場になったときに一番注目するべきことは、どの騎手が積極的に馬場の良い所を通すように意識しているか、またどの騎手が分かってないかという事です。(^-^)

 さて、その中から中距離と短距離の2種類に注目してもらうために11Rの芝1800m戦と12Rの芝1200m戦を取り上げてみました。
 まず騎手という分野からみていきましょう。あくまでも午前中を判断してという範囲から11Rではマヤノシャドーを取り上げました。中距離ではスタートから流れがゆっくりと進むので、前に行く馬が大回りをしながらでも理想の馬場の真中を通すことが出来るのでこうなると差し馬の出番は少なくなってしまいます。これは先述したように騎手が外回しブームとなっているので、先行馬が馬場の真中を通すことで差し馬はさらにその外を通して伸びてこなくてはならなくなるので距離ロスが大きくなってしまい、馬場の良いギリギリのラインを通した先行馬にそのまま押し切られてしまう事に繋がります。
 その中で午前中に馬場を分かってないと判断したのは中舘です。もちろん他にも分かっていない騎手はいますが、11Rの有力馬に騎乗していると言うことからは、中舘のスパルタクスに黄色信号が灯ります。もちろん、午後になって馬場の良い所を通してくる可能性は十分に高いので、それに注目していれば当然直前では消せない馬と判断できたと思いますが、昼の段階で中舘がちゃんと外を回した先行をするかどうかと言うのは、ただの勘になってしまうので、午前中から外を回せている騎手と言うことで下手な騎乗はしないだろうという判断から先行馬である池添のマヤノシャドーを取り上げました。更に勝ったツルマルは考えられなかったかと言うとそんなことはありませんが、ツルマルとマヤノを比較した場合、確実に先行出来る方と確実に馬場が分かっている騎手という意味からの抜粋となります。

 当日にも書いたように馬券的には買わないで欲しいレースです。少なくとも昼の時点で最良の考えをしたなかで取り上げたマヤノシャドーですが、中舘が馬場の真中を通して先行すれば割り込んでくる事が想像できますし、ツルマルが4走前のように先行してくれば割り込む余地があります。また、ジョーリュウオーやロイヤルウエストといった逃げタイプの馬も粘り込む可能性があるので見るレースに徹して欲しいという意味をもったものです。(^-^) 
 マヤノは3着でしたが、直前オッズでは複勝も1.2-となっていて手が出しづらいオッズですし、確実性を感じられるほどでもないものでしたから見ることに徹して正解だったでしょう。8Rの中舘の騎乗から11Rは馬場の良い所を通してくるであろうと言うことも考えられることでしたので、先述のように3着内に加わる可能性のある馬が5頭くらいいたので、そのような決断が下ります。
 しかし、このレースから吸収してもらった事は大きいと思います。それは、このような馬場が変化している時にはどの騎手がどういう動きをしているかと言うことに午前中から注目しておく必要があると言う事です。もちろん、全員の方が朝からグリーンチャンネルにかじりついている事が出来るとは限らないので、リアルタイムでこのような判断ができない状況にある場合は最初から手を出さない事が大切です。(^-^) また、突然馬場が変わる事もあるので、なおさら見れない人は危険なのでダート戦のみに絞り込むとか他の競馬場だけに絞り込むといった方法を取ることが最良です。
 もう1つ、こんどは日曜日に馬場情報で書いたことですが、小倉の芝は午後から内に放り込んで逃げ馬などが粘り込む可能性があるかもしれないと書きました。そして、結果としてそのような状態になったと言ってもよいでしょう。その馬場に変わっているのをいち早く察したのが藤田で結果的に同じような場所を通しつづけて連勝してましたね。(^^ゞ 午前中は土曜日と同じように馬場の真中が伸びていたんですが、なぜ午後からそのような傾向に替わるかもしてないと判断できたかというと、これは勘です。(^^ゞ 勘と言っても間違えはないんですが、経験から得られる勘と言ってよいでしょう。つまりセンスなんかではなく、だいたいそろそろ変わって来るかなぁ〜と言う程度の勘に過ぎません。何で、馬場の真中が伸びていたのに、次第に外が有利なるのではなく、突然内が有利になるのか。こういうことも踏まえてこれから説明していきましょう。(^-^)


 ここからは馬場の移り変わりと有利不利について説明していきます。特に北海道開催を除くローカルコースでは馬場の移り変わりが早いので常にこういうことを考えに入れておくことが大切です。なぜ北海道開催を除くかというと、北海道の芝はなかなか荒れない傾向にあるからです。ちょうど開催時期に雨が少ないことや、芝の発育がよいことなどがきっと影響しているんでしょうけど、それがどんな理由でなかなか馬場が荒れないのかというのはどうでも良いことだと思います。単純に荒れづらい芝と考えておくだけで十分と馬券に繋がってくるのであまり深く考えることはしません。(^^ゞ


                
@
                
                
有利は断然に(内)

 さて、@の図ですが、見てもらって分かるように、開幕週などの良好な芝の状態です。とりあえず、分かりづらくなるので、以下でもコース替わりは考えにいれないものとします。たまに質問があるので、コース替わりとは何かということに触れておきますが、ローカルコースでは多くの競馬場でAコースとBコースを用意しています。Aコースは内ラチギリギリのところで、Bコースに変わると内から3mほどラチが外側に移動されます。移動される距離は各競馬場によって違うのでそれはJRAのHPやコースデータなどを見てもらうとよいと思います。
 この@の図は誰でも分かるように完全な前馬場です。(^^ゞ 内側にべったり着いてコースロスなく回ってくる馬に有利な馬場状態です。4角や道中で外を回すようではそれらのコースロスの分、先行馬との距離が離されてしまい届ききれずに終わってしまいます。
 ただし、ローカル競馬場での開幕週で注意して欲しいことがあります。それはペースです。騎手心理からなんですが、たとえば6月に東京競馬場での開催が終わって、夏シリーズが始めると福島競馬場に変わります。そのように広い競馬場からイキナリ狭い競馬場に変わると言うことは騎手心理として早めの競馬をしないと届かないという心理状態になってしまいます。すると、仕掛けが極端に早くなって3角くらいから一気に仕掛けていく騎手が多くなり、乱ペースが生まれてしまいます。そうなると馬場は絶好の前馬場なのにも関わらず内の中団くらいで溜めていた差し馬がヒョッコリ差してしまう事があります。これも、騎手心理なので当日にどんな状態で競馬が行われているかという事に自分で注目しておかなくてはならない部分です。(^-^)

                            


                
A
                
                
(中)を通す馬に有利な馬場

 上の図Aはまさに今回のような馬場です。色で見てもらっても分かると思いますが、内側が踏み潰されて荒れた状態です。騎手がこの状態に気づいているかどうかが大きなポイントになるので、どの騎手が気づいているかということに注目しながらレースを検討することが大切になります。ただし、これを逆手にとって取りやすい馬券となるのはラク短の法則です。騎手がこれらのことを知らなくても知っていても狙いやすい状態となるのがこの法則なので、この馬場になったときに買いやすいのはラク短の法則にあてはまるレースだけと考えても過言ではないと思います。特にこの馬場に変わった瞬間などは多くの騎手がこのことに気づいていないので、中距離でいうならば最初は馬場の真中を通してくる差し馬が上位に食い込んできます。次の段階で、多くの騎手が馬場の真中を通さないと勝てないということに気づくので、逃げ先行馬がそろって馬場の真中を通してくるので、差し馬はその外を回さなくてはならなくなり、距離ロスなどを生じてしまうため結局は逃げ先行勢の天下となりやすいものです。(^-^) よって今回レースを見てもらったように、午前中は内をまだ通していて騎手も午後になると馬場の真中を通すようになってきていたのが伺えたと思います。


                            

                
B
                
      
(内)を通す馬と(外)を通す馬に有利な馬場

 次の段階がこのBです。これが日曜日の昼に午後はこうなるかもしれないと予想した馬場です。土曜日にみんなが馬場の真中を通すことにこだわっていたので、真中だけがどんどん荒れてきてしまうので、後半になればなるほど馬場の真中と内側の荒れ方に差がなくなってきます。そうなれば、同じ荒れた状態であれば、コースロスの少ない内を通した馬が粘り込むことに繋がってきます。しかし、この状態に変わった瞬間というのは、まだ騎手は馬場の真中を通すブームが続いているのでなかなか内に入れることがなく、ごく一部の騎手が内で粘れると判断した場合に結果を出してきます。そして、真中と外ならば外のほうが馬場が良いので、中を通した先行馬よりも、距離ロスを承知で外に回した差し馬の方がゴールでは上位に来る可能性も高くなり、結果として、馬場の悪い内をロスなく回した馬と、ロスを生じながらも馬場のよい外を通した差し馬がゴール前では横一線となる可能性がある馬場で馬券を買うには一番難しい馬場です。つまり、内と外はプラス材料とマイナス材料が1つづつあり、真中はマイナス材料が2つあることになります。しかも、どの騎手がどこを通すかという判断が非常につきづらい状態でもあるので、より難しくなります。
 ちなみに、このような馬場のときに穴として狙うならば、内を通すことになりそうな先行馬で、ダートの実績がある馬が穴をあける傾向にあります。つまり力のいる馬場をこなせる馬が先行して上位に食い込むという理論になります。ちょっと頭の片隅にでも残しておくと思わぬ穴馬券を取る機会もあるので覚えておいても損はないと思います。(^^ゞ しかし、個人的には紛れの出やすい馬場状態なので、こんな馬場になった時は全く手を出す気はおきません。(~_~;) もちろん他の競馬場やダートなどの方が遥かに狙いやすい状態にあることが多いからです。ただ、穴馬券を取りたいのであれば、これらを踏まえた上で穴狙いをするのも悪くはないとは思います。

                            


                
C
                
                   
(内)を通す馬に有利

 今回の小倉開催ではここまで行きませんでしたが、Cのような馬場になると馬場は悪い状態ですが、内も外も変わらず悪いので、コースロスの少ない分で内の先行勢に有利な結果となります。特に2連続開催のローカル戦などは最後にはこういう状態になりやすく、この手の馬場はある意味で言うと開幕週の馬場と同じような狙い方ができるので馬券的には買いやすいです。少し補足をするならば、同じ能力の内枠先行馬でもダートで実績のあるような力のある馬の方が狙いやすくなるというのが開幕週の良好な馬場との大きな違いと言えるでしょう。(⌒^⌒)bうふっ


 総括すると、買いやすいのは@とCの馬場です。そして、Aの馬場の時にはラク短の法則に当てはまる馬狙いで短距離なら買いやすくなります。馬場の移り変わりからどのような時にどのような馬を狙うべきであるかと言うことがご理解いただけた事と思います。特に今回の小倉開催ではこのような点に注目してもらったので、映像を見れた方は肌で実感できたのではないでしょうか。仮に映像を見ることが出来なかった方でも上の図と説明で十分にご理解頂けるものと思います。(^-^)


 続いて、ラク短の法則崩しのレースとして注意しなくてはならないという意味から、12Rを取り上げたのでそれについて説明していきたいと思います。12Rは芝1200m戦です。上の図Aの馬場になった状態では短距離の芝戦でラク短の法則が有効となります。ラク短を初めて聴く方のために簡単に説明しますと、馬場の悪い内を通すことなくレースを出来る馬を狙うために枠の真中から外の先行馬を狙うのがこの法則の趣旨です。これは短距離戦は基本的に前半からペースが速くなるという原理を利用しています。詳しく気になる方は、過去ファイルを参照いただきたく思います。m(_ _)m


              
図A
              
 そして、この図が、まさにラク短の法則となるものです。向こう正面のスタート位置をイメージした図なので、先ほどゴール前の直線をイメージした図とは進行方向が逆になっているので注意してください。
 この図Aのように普通の短距離戦ならば、そろってみんなが前半からペースをあげてくるので、内枠の先行馬は最初から最後まで馬場の悪い内側を通らされる結果となってしまい、人気するような実力馬でも取りこぼしが多い状態になります。馬場図@のような良好な馬場ならばもちろんコースロスの少ない内枠の方が理想ですが、図Aのようになると図Aの状態になるのがラク短です。そこで、ラク短の法則をよく知っている人ならば、この12Rもついついラク短ほ法則を利用して、真中から外を通す枠の馬を狙っていきたくなってしまいますが、このレースには落とし穴があります。それが下の図Bです。


              
図B
              
 短距離戦の割にはかなり先行馬が少ないレースというのが、色塗り(塗り絵)をすることで見て取れます。そうなると、図Bのように内枠で馬場の悪い所を通すことになる馬が、スタートして前半の脚をちょっと使うだけで、馬場の良い真中辺りを取ることが可能となります。図Aのように外からも先行勢が圧迫してくる状態では内枠の先行馬は全く外に位置取ることができず、騎手の希望とは違う馬場を自然と通らされてしまいます。このように先行馬が全体的に少ないようならば、内枠の先行馬でもスムーズに馬場のよい所を通すことが可能となります。また、10Rで秋山騎手が積極的に馬場の真中を選んで通っていたことから、秋山騎手はどこを通さなくてはならないかと言うことを理解していると判断できるので、12Rではトウセンザオーが十分に狙える馬となります。秋山騎手がこのような動きをすることで、このレースにどういう影響を与えるかというと、内側を通す馬が全くいなくなってしまい、全体的に外側にシフトされることになるので、外枠の馬は外ラチ一杯をずっと走らされることになって大きな不利となります。しかし10Rで仮に秋山が馬場を分かっていないと判断できれば、せっかく馬場のよい所を選べる展開になるにも関わらず内を通すことで、外枠の馬が外ラチ一杯を走らされることにはならないので、真中から外の枠の馬が有利になります。そうなれば、前半に脚はないものの、外枠ならば被されることがなく自在に動けるメニーアワードが浮かび上がってきます。これは過去5走を見てもらっても分かるように、外枠に入ったときは4角で5番手以内まで押し上げてこれています。その代わり内枠だと直線一気の追い込み勝負しかできなくなってしまうのがこの馬の特徴です。今回は結局外ラチ一杯を直線一気の競馬となりましたが、これはトーセンが外に位置取ることによって、全体的に外シフトになってしまったため、さらに外を捲くるように動くとロスも大きく自分からはとても動けない状態となってしまったものからです。とても2着にきたステキナブロンコなどは紐として拾えませんが、狙いとしてはラク短の法則ではついつい切る候補になるトーセンが買えるパターンになると言うことを把握してもらえれば十分です。
 そして、買いやすいのはあくまでも多くが先行する早い流れでのラク短の法則に当てはまるレースです。このように緩い流れで内が外に入り込んで来るようなレースは馬券候補としては買いづらいレースといえます。

 馬場の移り変わりを利用しながら買いやすい時と買いづらい時というのを頭に入れておくことと、どのような点に注目(騎手の動きなど)すべきか、馬場が今後どう変化していくか、と言ったことを頭に入れておくことで先を読むことが可能になります。よって、これはセンスなんかで分かるのではなく、単純な馬場の動きの繰り返しをちょっと頭に入れておくだけのことですので、誰でも慣れれば同じ事を思うようになると思います。(^-^)


 今回は画像などもかなり作ったりしてたので時間が掛かってしまいました。これから日曜日分に取り掛かりますが、出来上がるまでジックリこちらを読んでください。m(_ _)m


 ちょっといつもとは違うパターンでもあるので、できれば分かりやすかったかどうかを掲示板に書いていただけると今後の方針として参考になるので助かります。m(_ _)m

 では土曜分はこの辺で。(^^)/~~